令和5年度振動基礎研究会「ちょっと一言」の提供話題

(敬称略)

(1) 話題提供者 曹 淼(東北工業大学)
題  目  映像解析による構造ヘルスモニタリングの実運用問題について
概  要  地震時構造物の変位応答を直接計測できる映像解析手法を開発し,振動台実験で有効性を検証した.現在,この手法を用いて建物の計測をしているが,実運用から生じる様々な問題を紹介する.
 
(2) 話題提供者 宇津野 秀夫(関西大学)
題  目  加減算で分かる1次元波動の自励現象
概  要  1次元波動の自励現象をダランベールの解を用いて加減算だけで説明します.鍵は加振部で,ここを加減算だけでモデル化します.弦のスティックスリップ振動と音響管路の自励音を取り上げ,ダランベールの解と従来法の固有関数の線形和の解とも比較します.自励現象の次テーマに考えている時変系振動に関しても少し話します.
 
(3) 話題提供者 天野佑基(鉄道総合技術研究所)
題  目  架線・パンタグラフ系の硬点に対する定性的検討
概  要  高速鉄道では,省力化・保守コスト削減のため,接続金具を用いたトロリ線の部分張替えの実現が望まれている.しかし,接続箇所におけるトロリ線破断の事故が発生するなど,その導入が懸念されている.このような特異な点(硬点とよばれる)を通過する場合の過渡応答については、シミュレーションによる解析は行われているものの、現象のメカニズムや対策については定性的な知見が不十分である.そこで本研究では,実験および簡易モデルによる解析を行い,硬点通過時の過渡応答に関して定性的な検討を行った.
 
(4) 話題提供者 今岡 広一(北海道立総合研究機構)
題  目  道総研工業試験場の振動試験機がリニューアルします!
概  要  道総研工業試験場には,これまで16kNの振動試験機がありましたが,今年の12月に試験機のリニューアルし,26kNの大きな振動試験機になります.また,サイン波・ランダム波だけではなく,ショック波やサインオンランダム波、実波形の再現なども可能な機械となっています.道内外からの試験機のご利用や,共同研究をお待ちしています.
 
(5) 話題提供者 原田 晃(長崎大学)
題  目  メタマテリアルとバンドギャップが発生する構造の関係に関する基礎的研究(ポストD&D2023)
 
(6) 話題提供者 田村 晋司(島根大学), 小松崎俊彦(金沢大学)
題  目  授業で使えるNHK番組や動画の紹介
概  要  振動学の講義において,用語や数式のみで現象の概念を学生に伝えることは難しいため,実現象の動画コンテンツ活用は理解補助に有用であることが期待される.本報告ではメディア等において,平易な言葉で一般向けに振動現象を解説した動画をいくつか紹介する.
 
(7) 話題提供者 星野 洋平(北見工業大学)
題  目  一次産業用機械・スポーツ工学における振動問題についての話題提供
概  要  一次産業用機械・スポーツ工学における振動問題としてとらえると思われる事象を紹介する